奥田孝一大学校長が、学生に難しくない理数科的なお話をする特別講座「おもしろ理数科」。前回の第3回目は9月14日(水)に開催と、第2回目から約2ヶ月後の開催となりましたが、第4回目は第3回目の2週間後となる9月28日(水)にしました。
1 開催日時
令和4年9月28日(水) 16:15~17:00
2 開催場所
兵庫県立但馬技術大学校 本館2階 センター教室2
3 講師
兵庫県立但馬技術大学校 大学校長 奥田孝一
4 内容(趣旨)
前回は「単位」がテーマ。今回はその「単位」の話を発展させ、アナログデータのデジタルデータへの変換方法、そして、コンピューターが行っている演算内容等の説明がありました。
5 講座の様子
まずは前回の復習。ほかの単位を組合わせてつくることのできない一番もとになる単位としては、長さ(m:メートル)、時間(s:秒)、質量(kg:キログラム)の3つがあります。なので、体積1Lは10cm×10cm×10cmと表されます。圧力は質量(kg)÷単位面積(1㎡)。ただ、台風通過時によく使われるPa(パスカル)=1N(ニュートン)÷㎡と表されます。1hPaは100Paとなります。
次はデジタルデータについての説明です。コンピューターの情報量の単位は0か1。これを1bit(ビット)と言うことは、前回のおもしろ理数科でも説明がありましたよね。この1bitを8つずつ使うこととした場合、2の8乗の256通りとなります。
次はアナログデータのデジタルデータへの変換の話です。アナログデータは連続量と呼ばれます。例えば、0と1の数値データがあったとして、その中間である0.5は必ず存在します。同様に、そのまた半分の0.25も存在します。無限にあります。一方、デジタルデータは飛び飛びです。0と1の間には数値が存在しません。0~255の256通りの数値のみになります。これを離散量と言います。
では、実際にアナログデータをデジタルデータに変換する場合、どのようにしているのでしょうか。10秒間の音声データがあったとします。これをできるだけ短い時間ごとに数値化した方が実際のデータに近くなります。これを再現性が高いといいます。その時間ごとに0~255の数値を割り当てます。この数値の割り当てを量子化するといいます。音楽CDでは44.1kHz(キロヘルツ)、すなわち1秒間に44,100回、数値化されています。
さて、最後はゲームマシンの中で行われている計算のお話。ゲームの中ではものすごい計算が行われているので、ゲームマシンのCPUの性能は非常に高い。座標(x,y)が原点を中心に角度θ分、回転し、座標(X,Y)に移動した場合、X=x・cosθ-y・sinθ、Y=x・sinθ+y・cosθとなります。数式は難しいですが、理解する必要はありません。ここでは、ゲームマシンのなかでこんなに難しい計算が行われていると言うことを理解してください。
次にゲームの画面の中にある四角形があったとして、それが原点を中心に回転したとすれば、4つの点全てについて同様の計算が行われています。そして、コンピュータが、どこどこの座標が「光れ」と指示を出し続けており、私たちはこの四角形が一瞬で移動するのを見ているのです。
次回は10月13日(木)に開催します。是非、ご参加ください。