大学校長特別講座「おもしろ理数科」(第6回)開催

奥田孝一大学校長が、学生に難しくない理数科的なお話をする特別講座「おもしろ理数科」。第6回目となる今回が最終回となります。

1 開催日時

令和4年11月1日(火) 16:15~17:00

2 開催場所

兵庫県立但馬技術大学校 本館2階 センター教室2

3 講師

兵庫県立但馬技術大学校 大学校長 奥田孝一

4 内容(趣旨)

前回は、ウイルスや細菌を事例に、小さなものを見るための方法、そして、「光」の性質について説明がありました。今回は、様々な単位を測るための昔ながらの機械式の計測方法、そして、デジタルの計測器が使用する測定方法について説明がありました。

5 講座の様子

まずは、これまでの講座で出てきた単位。物理量といいますが、長さm、重さkg、時間s、温度℃などがあります。最近はすべてデジタルデータで計測されますが、物理量を直接測ることは少なく、電気量を間接的に測って、物理量に変換しています。そのとき、電気量と物理量の関係をあらかじめ知っておく必要があります。

まずは、昔ながらの重さの測り方です。天秤を使えば、重さを比較することができます。でも、天秤は比較しかできません。では、機械式のはかりはどのような方法で計測しているのでしょうか。バネに重さWのおもりを載せると縮みます。この縮んだ分がはかりの針に示されます。縮みの単位はmm、重さWの単位はkgなので、mmをkgに変換しているのです。

では、このバネの伸び(縮み)とおもりの重さの関係はどのようでしょうか。ほぼ比例関係にあります。これを線形と言います。

でも、線形にならないものもあります。力を加えていくときは低めに出て、力を減らすときは高めに出るものもあります。これを非線形といい、このようなものは計測器には向きません。

次は、電気を使って温度を測る方法です。異なる材料の2本の金属線を溶接して1つの回路(熱電対)をつくり、ふたつの接点に温度差を与えると、回路に電圧が発生するという現象がおきます。この電圧の変化により、温度の変化を測ることができるのです。コロナ禍対策として、学校や庁舎の玄関に非接触型の体温計が設置しておりますが、これは赤外線を利用しています。

 

次に電気を使って重さを測る方法です。片方を固定した金属の上側にシール上の抵抗線を張ります。この金属におもりを載せると金属はたわみます(上側は伸びます)。すると、この抵抗線が長くなり、抵抗値が変わります。これをオームの法則を使って計測すれば、力を電気で表すことができます。

最後に距離の測り方です。水晶って、みなさん、聞いたことがありますか。この水晶ですが、圧力を加えると電荷を発生します。逆に、電圧をかけると一定のリズムで振動します。この一定のリズムの振動をレーザーとして発射して、エコーが戻ってくるまでの時間から距離を測ることができます。

 

今回が今年度の最終回となります。また、来年も企画しますので、是非、ご参加ください。

 

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