大学校長特別講座「おもしろ理数科」(第3回)開催

奥田孝一大学校長が、学生に難しくない理数科的なお話をする特別講座「おもしろ理数科」。6月に開催した第2回目から、夏休みをはさむこととなりましたが、このたび第3回目を開催しました。

1 開催日時

令和4年9月14日(水) 16:15~17:00

2 開催場所

兵庫県立但馬技術大学校 本館2階 センター教室2

3 講師

兵庫県立但馬技術大学校 大学校長 奥田孝一

4 内容(趣旨)

今回は「単位」がテーマ。長さ、時間、質量の単位の話から、速度、そして加速度の話に続いていきます。そして、最後はコンピューターが使っている単位について説明がありました。

5 講座の様子

高校の時、数学の教科書には単位はついていなかったですよね。数学とはまさに「数(かず)」の学問。概念的で理想世界での話なので、単位はついていません。でも、現実の世界の量には、必ず単位がついてきます。

 

実際、多くの単位が使われていますが、長さ(m:メートル)、時間(s;秒)、質量(kg:キログラム)の3つの単位、それに電流(アンペア)、熱力学温度(ケルビン)、物質量(モル)、光度(カンデラ)を加えた7つの単位を基本単位として、組み合わして使われます。

 

例えば、速度は単位時間(1時間とか1秒)当たりの移動長さ(距離)のことですから、速さ=距離÷時間で単位はm/sと表されます。100kmを2時間で走った自動車の(平均)速度(50 Km/h)と40kmを30分で走ったオートバイの(平均)速度(80 Km/h)では、オートバイの方が速い速度で走ったことになりますね。自動車が止まった状態から走り出すと、速度は徐々に早くなります(加速します)。単位時間(例えば1秒間)当たり、どれぐらい速度が増していくのかという割合が加速度です。すなわち、加速度=速さ÷時間になるので、加速度の単位はm/s/sとなり、m/s2のように表します。

 

さて、次は力のお話。質量(m)の物体を力Fで押すと、動き出します(加速度(a)が生じます)。ニュートンは、mとFとaの間にはF=m・aという関係があることを見出しました。ニュートンの運動の第2法則と呼ばれるものですね。単位に注目すると、右辺は質量の単位(Kg)×加速度の単位(m/s2)ですので、Fの単位はkg・m/s2として基本単位で表されます。この基本単位で組み合われた単位を、一語(SI単位)でN(ニュートン)と呼ぶことにしています。

最後にコンピューターで使われる単位のお話。私たちは一般に0~9の10進法を使っています。10個ごとに桁が上がります。コンピューターでは電気が流れる・流れないかで0か1で計算していきます。英語圏ではアルファベットが26文字しかないので、昔のコンピューターは8bitという単位で計算していました。8bitとは2の8乗。すなわち256なので、これだけあれば、アルファベットならすべて表記できたのです。この8bitのことをB(byteバイト)と呼びます。なお、この頃よく使う単位のGB(ギガバイト)ですが、1GBがおよそ10億byteとなります。

 

次回は9月28日(水)に開催します。是非、ご参加ください。

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